医師のこのごろ
東京都が2025年12月5日に公表した最新データによると、都内のインフルエンザ定点医療機関から報告された患者数は14,947人、1医療機関あたり35.76人でした。
この数値は、インフルエンザの流行警報レベル(定点あたり30人/週)を上回っており、都内全体で強い流行が続いている状態です。昨シーズン同じ時期の定点あたり患者数は4.32人であり、今シーズンは非常に多い状況です。
調布市が含まれる東京都多摩府中保健所のデータでは、1定点あたり34.67人でした。ほぼ都平均と同じで、調布市周辺でも警報レベルの強い流行が続いていると考えられます。
都内で検査された検体(第36〜46週)では、検出されたインフルエンザウイルスの多くがA型(AH3亜型)で、その多くが「サブクレードK」と呼ばれるタイプと報告されています。(前回の「医師のこのごろ」でサブクレードKについては詳しく記載しています)
発熱、全身倦怠感、咳・喉の痛みなどが急に出た場合は、インフルエンザの可能性があります。高齢の方、基礎疾患(心臓・肺の病気、糖尿病など)のある方、小さなお子さん、妊娠中の方は重症化しやすいため、早めの受診をご検討ください。
日常生活でできる予防策としては、こまめな手洗い、室内の換気と適度な湿度(50〜60%目安)の維持、体調がすぐれないときは無理をせず休むことなどがあげられます。
当院ではインフルエンザワクチン接種も受け付けています。注射のワクチンはご予約なしで接種できますので、ご希望の方は診療時間内にご来院下さい。経鼻ワクチンも現在、在庫がありますが、ご来院前にご確認いただいた方が安心です。
