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医師のこのごろ

[2025.12.03]

現在、インフルエンザの流行が続いています。その一因として、A型インフルエンザの一種である「サブクレードK」と呼ばれるウイルスが広がっていることが指摘されています。

インフルエンザウイルスは大きく A型・B型・C型・D型 に分けられます。

  • A型:ヒト、鳥、豚など様々な動物に感染し、大流行(パンデミック)を起こしやすい型です。
  • B型:ほぼヒトだけで流行し、例年はシーズン後半に増えることが多い型です。
  • C型:ヒトにも感染しますが、軽いかぜ程度で済むことが多く、大きな流行の原因になることはまれです。
  • D型:主にウシなどに感染するウイルスで、現時点でヒトの間で流行しているという報告はありません。

A型インフルエンザは、ウイルス表面の2つのたんぱく質(H:ヘマグルチニン、N:ノイラミニダーゼ)の違いで「H1N1」「H3N2」などに分けられます。

今シーズンは、このうち A型H3N2 が流行の中心になっています。その A型H3N2 の中で、最近特に増えている系統が「サブクレードK」です。つまりサブクレードKは、A型インフルエンザの中でも季節性A(H3N2)に分類される、新しいタイプ(変異株)のひとつと考えてよいでしょう。

サブクレードKは、遺伝子変異により今年のワクチン株と抗原性のずれがある可能性が指摘されていますが、最新のデータでは、今シーズンのインフルエンザワクチンが重症化や入院を防ぐ効果は一定程度保たれていると報告されています。

インフルエンザワクチンをまだ受けていない方でも、流行期の今から接種することで、重症化や入院のリスクを下げることが期待できます。特に、65歳以上の方、持病のある方、小児、妊娠中の方などは、接種を検討してみてください。

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